しんじゅくすえひろてい
しんじゅくすえひろてい
寄席だより十二月号
2022寄席のできごと
 長くコロナ禍のため本年も当席はお客様座席の左右席を空けた状態で営業がはじまりました。 3月22日のまん延防止法が解かれて客席は従来のかたちにもどりました。この一年、定席寄席本来の <年中無休>で営業できましたこと、お客様のご協力ご支援のおかげと、まずもって御礼を申しあげま す。
今年の真打昇進 落語協会は7名
はな平
風柳
桃花
律歌
扇橋
小燕枝
一蔵
(左からはな平、風柳、桃花、律歌、扇橋、小燕枝、一蔵)
 落語協会は春4名秋3名の新真打。3月に三遊亭律歌、蝶花楼桃花、柳家風柳、林家はな平。9月に春風亭一蔵、 柳亭小燕枝、入船亭扇橋。小燕枝は8代目、扇橋は10代目。
落語芸術協会は2名 5月連休の真打披露は3年ぶり
春風亭柳雀
春風亭昇也
 落語芸術協会は春風亭柳雀、春風亭昇也。同協会の5月連休の披露は吉例だが緊急事態宣言により、当席は昨年、一昨年 と休席した。
末広亭の催し今年もいろいろ
桂宮治
神田伯山
 ◇正月初席の第2部は神田松鯉、二之席昼の部は柳家小満んが初主任。◇2月中席夜の主任は桂宮治、当席2階席も大入り。 ◇4月上席夜の落語協会4名の真打披露は女性2名のはなやかさ。◇5月上席よるの披露興行は3年ぶりで大盛況。◇8月中席 昼は昇太、夜は伯山、遊雀の主任、昼夜いれかえ時には末広通りは大混雑。◇10月上席夜の真打披露は当席表に新真打3名 大型写真が並び、お祝いムードを盛りあげる。◇余一会では3月31日昼の部に[鶴瓶・べ瓶親子会]、鶴瓶が長演で「らくだ」 の一席。◇8月31日昼の〔落語立川流一門会〕に志の輔、談春も久々に出演。
今年の受賞 馬石、松鯉、南光ら
隅田川馬石
神田松鯉
 令和3年度文化庁芸術祭賞で隅田川馬石大賞を受賞、優秀賞に神田京子、新人賞に桂竹千代、第38回浅草芸能大賞で神田 松鯉が大賞を受賞。令和3年度芸術選奨文部科学大臣賞に上方落語の桂南光が受ける。
  •  今月のコーナーは〔2022年 寄席のできごと〕で、今年亡くなった人たちを偲びます。慎んでお悔やみとご冥福 を祈ります。
  •  〔春風亭栄枝 2月9日没、83歳〕枝二時代、稲荷町の正蔵(彦六)宅の水撒きが当番だった。夕立のあとにも水 を撒いたという、憎めない好人物。〔柳家さん吉 2月15日没、84歳〕QR「サントリー出前寄席」で長年の司会、”サントリーのさんちゃん”で親しまれた。 〔柳家小はん 4月25日没、80歳〕落語通から愛された。上野高校卒で上野や湯島の酒場へよく通う和服姿を見かけた。
  •  〔三遊亭金翁(4代目金馬)8月27日没、93歳〕隠居名金翁を名のっても落語に精進の姿勢。追悼番組で90歳の時の 「藪入り」がNHKラジオで放送されたが、まさに至芸。最高齢者の一席として落語史に永久保存となるであろう。小金馬時代 はNHKテレビ「お笑い三人組」で国民的な人気をはくした。
  •  〔三遊亭圓窓 9月15日没、81歳〕「圓窓五百噺を聴く会」を28年かけて、成しとげた。カラオケ大好きで、カラオケ も「圓窓五百曲」のノートを持っていた。”6代目圓窓です”の挨拶で、「笑点」には70年から7年間レギュラー出演。
  •  〔三遊亭円楽 9月30日没、72歳〕2010年楽太郎改め6代目円楽を襲名。落語芸術、落語、両協会以外は出演できない 当席で、同年3月下席の襲名披露興行は異例中の異例の興行となった。円楽襲名の際には”円楽より圓生を襲名すればいい”と言った 談志家元の言葉を思い出す。
  • 「”幼い頃、三平さんのオモチがはいってペタペタとなんてCMをよく覚えてますよ”と言った人がいる」
  • 「へぇー、だれ?その人」
  • 「安倍晋三元総理だよ」
  • 「もちりんでゲスよ、当席と家元談志と深い関わりがあるもんッ」
  • 「先々代の9代目文治が”吉田茂は落語を聴いて総理大臣になったんですから”」
  • 「そのあと、”だからあなた方も総理大臣になりたかったら毎日落語を聴きなさい”とお客に話しかける」
  • 「”聴いてなれなきゃそれまでだッ”に、場内どっと笑いが起る」
  • 「吉田さんは料亭のお座敷に噺家を呼んでよく落語聴いていたそうだネ」
  • 「ある時、時間に遅れた、この人ものちに総理になるんだけど、演者と吉田さんにも失礼だと、座敷に入らないで 廊下でずっーと聴いていたそうだよ」
  • 「いい話しだなァー、さすがすえは総理になる人だ」
  • 「お座敷はもちろん和室食事会で、その前に一席を聴く、座ぶとんは毛せんで隠して演者はそこに座る」
  • 「客に座ぶとんに座っている姿を見せないわけだ」
  • 「そんなお座敷でもタバコのケムリでこれは出来ないって、一席やらずに帰ってしまった芸人がいたって」
  • 「一席やれば、お座敷の仕事はいいギャラなのに、それが芸人魂というのだな」